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2005/02/16

「ベルガリアード物語」

ベルガリアード物語〈1〉予言の守護者 新装版

David Eddings(デイヴィッド・エディングス)の傑作で、トールキンの「指輪物語」の流れを汲む、本格的なエピック・ファンタジーです。
個人的には、指輪よりオススメ!

さてこの作品、はじまりは7人の神々の物語から始まります。
「アローンの書」というんですが、神々の争いの歴史と魔術師ベルガラスの行動について書かれています。
でも、ここでめげないでください。

各章の始まりには必ずこのような神話が語られるんですけど、これがまた、重要な意味を持っているんです。
伏線がうまいんだよなぁ。
たぶん、あとで何度も見直すことになると思いますよ。
でもとりあえず、頭の片隅に置いておいて先に進みましょう。

ここから、いよいよ主人公のガリオン少年の登場です。
センダリア国の農園で過ごす少年ガリオンの成長の過程が、
ユーモアを持って丁寧に描かれていきます。
保護者であるポル伯母さんとのやり取りなんか微笑ましいですよ。思わずニヤニヤしちゃいます。
それと初恋の淡い思い出も…

しかし、平穏に暮らしていたガリオンの元に、謎の老人ミスター・ウルフが現れます。語り部として登場するこの老人、面白い話をたくさん話してくれるので、農園の人たちに大人気。
もちろんガリオン少年もご多分に漏れず、一の子分として付き従います。
仲良くなって、いろいろな話をするんですけど、この老人との会話の一つ一つが後に意味を持ってきます。
全巻読破した後にもう一度このあたりを読み返すと、その構成の巧みさに改めて舌を巻くと思います。
さらに、ポルおばさんとも知り合いらしく、なにやら親しげです。
しかし、突然ある晩、農園を後にします。

そして5年の歳月が流れ、この老人、ミスター・ウルフが再び農園に姿を現したときから状況は一変します。

ある晩、ウルフに導かれ、わけもわからないまま、ポルおばさん、鍛冶屋のダーニクと共に、闇にまぎれて逃げるかのように、農園を後にして旅立つことになります。
何かを恐れ避けるように、
そして、何者かの後を追うかのように…

そしてこれが、長い長い冒険の旅の始まりとなるのでした。


この作品の魅力はなんと言っても、そのキャラクター造形の巧みさにあると思います。
出てくる人たちみんながチャーミング!なんです。
ベルガラスなんか魔術師なのにとってもお茶目ですしね。
そして知的でユーモアにあふれています。
アメリカの作品らしく自立した女性たちがでてくるんですが、これがまた素敵なんですよ。思わず惚れちゃうかもしれません。(このへンはエディングスの共同執筆者の奥さんのおかげかな)

そしてこの作品ほど、世界の広さを実感した物語はありませんでした。
世界各地を転々と旅していくことになるんですけど、その行程がいちいち細かく描かれているせいだと思うんです。
でも、それがうるさくないし、ごく自然に織り込まれているので、
本当にその土地を一緒に旅して回っているかのような気持ちになります。
ふつう、どこそこに行くには馬で行くと10日かかるから、必要な食料とマキを準備しなくちゃいかん。なんてことは小説では出てこないですよね。
でも、こういった細かいところをきっちりと抑えてくるので妙にリアル。生活観が感じられます。

ファンタジーの世界というのは何でもできる代わりに、その世界が精巧に作られていなければ、非常につまらないものになりかねません。そういった意味では良くできていて、うまいです。
そして、土地、土地の環境の変化も織り込まれています。
まあ、アメリカのだだっ広さを想像してもらえればいいんでしょうけどね。
道々で事件に巻き込まれたりと飽きさせませんしね。

とにかくこの本はオススメです。絶対、損はさせません!

ベルガリアード物語〈1〉予言の守護者 新装版
ベルガリアード物語〈2〉蛇神の女王 新装版
ベルガリアード物語〈3〉竜神の高僧 新装版
ベルガリアード物語〈4〉魔術師の城塞 新装版

ベルガリアード物語〈1〉予言の守護者
ベルガリアード物語〈2〉蛇神の女王
ベルガリアード物語〈3〉竜神の高僧
ベルガリアード物語〈4〉魔術師の城塞
ベルガリアード物語〈5〉勝負の終り

このシリーズ、全5巻もあるので結構なボリュームになります。
「本当に読み通せるの?」
と、中には心配になる人もいるかもしれません。
けど、大丈夫です。
まったく、心配要りません。
最初の数ページに目を通してみてください。
そうすれば、後は一気に読めちゃいます。
むしろ読み終わってから、
「もっと読ませてくれ!」って思うこと間違いなしですよ。

でも、安心してください。
そんな人のために、ベルガリアード物語の続編があるんですよ。「マロリオン物語」というんですが、こちらも負けず劣らず面白いんです。「ベルガリアード物語」の数年後のお話になります。
こちらは全10巻(原本は全5巻なんですが、1巻を2分冊にしているので10巻なんです。前作が分厚すぎて不評だったんですかね?)です。
楽しんでください。

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マロリオン物語<1>西方の守護者
マロリオン物語<2>熊神教徒の逆襲
マロリオン物語<3>マーゴスの王
マロリオン物語<4>禁じられた呪文
マロリオン物語<5>疫病帝国
マロリオン物語<6>カランダの魔神
マロリオン物語<7>メルセネの錬金術師
マロリオン物語<8>ダーシヴァの魔女
マロリオン物語<9>ケルの女予言者
マロリオン物語<10>宿命の戦い



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コメント

はじめまして。TBありがとうございます。
知らない間に絶版になってて、知らない間に復刻されてました。ビックリです。
本棚から引っ張りだして、もう一度読んでみようかと思ってます。

投稿: ぺた | 2005/02/18 17:48

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